「宅配ボックスを後付けしたいけど、玄関横と門柱横、どちらに置けばいいんだろう?」
宅配ボックスは便利な設備ですが、設置場所を間違えると、玄関ドアが開けにくい、荷物を運ぶのが大変、配達員に気づいてもらえないといった問題が起こります。
しかも、同じ場所でも宅配ボックスの幅、奥行き、扉の開く方向によって、使えるかどうかが変わります。
結論から言うと、玄関横と門柱横のどちらが正解かは、住宅によって異なります。ただし、置き場所を決める順番は共通です。

玄関横も門柱横も空いてるんだけど、結局どっちに置くのがいいんだ?

便利そうな場所を選ぶ前に、置くと困る場所を除外するのじゃ。そのあと実際の玄関で試せば、候補を絞れるぞ。
この記事では、「除外→比較→仮置き」の3ステップを使います。具体的な失敗例、メーカー製品の寸法比較、購入前の仮置きテストを通じて、自宅に合う設置場所を見極めましょう。
結論|宅配ボックスの設置場所は3ステップで決める
玄関横と門柱横を最初から比べるのではなく、次の順番で判断します。
玄関奉行の3ステップ判断
STEP1|除外
ドア・通路・固定条件に問題がある場所を候補から外す。
STEP2|比較
安全に設置できる候補だけで、配達員と家族の使い勝手を比べる。
STEP3|仮置き
商品の寸法を床に再現し、実際の開閉と動線を確かめる。
例えば、門柱横が配達員に便利でも、宅配ボックスの扉が敷地外へはみ出すなら、その位置は採用できません。
反対に、玄関横が狭くても、商品の幅や扉の開き方を見直せば候補になる場合があります。
「置けそう」だけで買わず、「安全に使える」と確認してから決める。これが基本です。
STEP1|まず設置候補から外すべき場所を確認する
最初に確認するのは、便利さではなく設置場所として成立するかどうかです。
| 確認すること | 問題がある場合の判断 |
|---|---|
| 玄関ドアや門扉にぶつかる | その配置は不採用 |
| 日常の通行や避難を妨げる | その配置は不採用 |
| 宅配ボックスの扉が十分に開かない | その配置は不採用 |
| 本体や扉が道路・隣地にはみ出す | その配置は不採用 |
| 設置面が傾斜している・不安定 | 安全な設置方法を確認するまで保留 |
| メーカー指定の固定方法に対応できない | 別の製品・場所・施工方法を検討 |
| 床や門柱の強度が分からない | 購入を保留して確認 |
ここで大事なのは、「不採用」と「要確認」を区別することです。
玄関ドアと確実にぶつかる配置は不採用。一方、タイルの下地が分からない場合は、すぐ不可能と決めつけず施工条件の確認が必要です。
なお、据置型でも固定が必要な製品があります。詳しくは宅配ボックスは置くだけで大丈夫?固定が必要なタイプとの違いで解説しています。
実例画像で確認|玄関横・門柱横で起こりやすい2つの困りごと
設置場所を考えるとき、特にイメージしてほしいのが次の2つの場面です。

図A|玄関横に置いたらドアがぶつかる
宅配ボックス本体は玄関横に収まっていても、外開きの玄関ドアが当たる配置では、毎日の出入りに支障が出ます。
奉行の裁定:その配置は不採用。
扉の開く向きが異なる製品や別の設置場所を検討します。玄関横が使えない場合は、門柱横も候補になります。
図B|門柱横に置くと荷物を運ぶ距離が長い
門柱横は配達員が見つけやすい場合があります。一方、玄関までの距離が長い家では、飲料水や日用品など重い荷物を運ぶ負担が増えます。
奉行の裁定:両方安全に設置できるなら、玄関横を優先して検討。
ただし、玄関横が配達員から見つけにくい場合や、固定条件を満たせない場合は再検討が必要です。
どちらの画像も、特定の住宅ではなく問題点を分かりやすく示した例です。自宅の玄関が同じとは限りません。
STEP2|玄関横と門柱横、どちらを優先する?
STEP1で安全性や施工条件に問題がない候補だけを比較します。
玄関横を優先したいケース
- 飲料水や日用品など、重い荷物を受け取ることが多い
- 門柱から玄関まで距離や階段がある
- 玄関ポーチに十分なスペースがある
- 玄関横が配達員からも見つけやすい
- 軒下など、荷物を回収しやすい場所がある
玄関横の強みは、荷物を取り出してから室内へ運ぶ距離を短くしやすいことです。
一方、玄関ドアの開閉範囲、ポーチの通路、宅配ボックスの扉の向きには注意しましょう。
門柱横を優先したいケース
- 玄関ポーチが狭く、宅配ボックスを置くと出入りしにくい
- 門柱付近に安全な設置スペースがある
- 配達員に敷地の奥まで入ってもらう必要を減らしたい
- 表札・インターホン・ポストの近くに受取設備をまとめたい
- 門柱横から玄関まで荷物を無理なく運べる
門柱横の強みは、配達員から見つけやすい場所に設置できる場合があることです。
ただし、道路へのはみ出し、荷物を取り出すときの安全性、雨風、固定する地面の状態まで確認する必要があります。
自宅の条件別・奉行の裁定表
| 自宅の状況 | 奉行の裁定 |
|---|---|
| 玄関横に十分な余裕があり、重い荷物をよく受け取る | 玄関横を第一候補 |
| 玄関横に置くとドアや通路をふさぐ | 玄関横を除外し、門柱横を検討 |
| 門柱から玄関までの距離が長い | 玄関横の使い勝手を優先評価 |
| 玄関前への第三者の立ち入りを減らしたい | 門柱横を優先評価 |
| 門柱横では扉が道路へはみ出す | その配置は不採用 |
| どちらも設置条件が不明 | 購入を保留し、型番と施工条件を確認 |
実在製品の寸法比較|幅が265mm違うと置き場所はどう変わる?
次に、メーカー公式情報に掲載された実在製品の本体寸法を比較してみましょう。
比較するのは、エスディエスの「宅配KEEPER tumiki ラージ」と、パナソニックの「コンボ スリム」です。
まず、2製品の外観イメージを確認してください。

宅配KEEPER tumiki ラージ
外観イメージ(AI生成画像)

コンボ スリム
外観イメージ(AI生成画像)
※上の2枚は実機の撮影写真・メーカー公式商品画像ではなく、製品をイメージしたAI生成画像です。実際の外観・鍵・部品の位置はメーカー公式ページでご確認ください。
メーカー公式寸法を比較する
| 項目 | tumiki ラージ TK120-MG-R |
コンボ スリム 前出し CTNR4010系 |
|---|---|---|
| 本体幅 | 460mm | 195mm |
| 本体奥行 | 480mm | 457.5mm |
| 本体高さ | 570mm | 590mm |
| 収納・受取の特徴 | 収納容量85L | 受取最大幅130mm・奥行350mm・高さ500mm |
| 設置方式の注意 | 単体置き設置に対応。2段以上の連結ではアンカー固定が必要 | 指定の施工方法・取付部材を確認する必要がある |
本体寸法の出典:エスディエス公式|TK120-MG-R、パナソニック公式|コンボ製品仕様。寸法は本体の公称値です。
有効幅1,200mmの場所なら、残り幅はどう変わる?
例えば、宅配ボックスを置きたい方向に1,200mmの有効幅があると仮定します。
| 製品 | 本体幅 | 単純計算の残り幅 |
|---|---|---|
| tumiki ラージ | 460mm | 740mm |
| コンボ スリム | 195mm | 1,005mm |
単純計算では265mmの差が出ます。
ただし、この数字は本体幅を引いただけです。通路として安全に使用できる幅や、施工可能な寸法を示しているわけではありません。
実際には、次の点も確認する必要があります。
- 専用ベースや脚を含めた設置寸法
- 宅配ボックスの扉を開ける空間
- 玄関ドアとの干渉
- 荷物を持って通るための動線
- メーカー指定の施工方法
さらに、コンボ スリムは本体幅が小さい分、受け取れる荷物の幅にも制限があります。
小さい製品なら必ず正解、というわけではないのです。
商品の幅だけでなく、扉の開き方も重要
同じ場所でも、扉が右に開くか左に開くかで、壁や門柱との干渉が変わります。
また、荷物を前から入れて前から取り出すタイプと、前から入れて後ろから取り出すタイプでは、必要な動線が異なります。
製品の寸法図では、外形寸法だけでなく扉の開閉方向・投函方向・取り出し方向まで確認しましょう。

幅が265mmも違うなら、スリムを選べば全部解決じゃないの?

早合点じゃ。荷物が入るか、扉が開くか、指定どおり施工できるか。この3つを飛ばしてはいかんぞ。
STEP3|購入前に自宅で行う「仮置きテスト」
ここがこの記事で最も実践してほしい部分です。
カタログを見るだけでなく、自宅の玄関に宅配ボックスの大きさを再現することで、使いやすさを具体的に確認できます。
準備するもの
- メジャー
- 床材に影響しないマスキングテープなど
- スマートフォンのカメラ
- 候補商品の公式寸法図・施工説明書
- 必要に応じて空き段ボール
① 玄関横A・門柱横Bの候補を決める
まず候補を2か所選びます。例えば、玄関ドアの右横と、既存門柱の内側です。
明らかにドアや通路をふさぐ場所は、最初から除外します。
② 本体の幅と奥行きを床に再現する
気になる商品の外形寸法を確認し、メジャーやマスキングテープで設置予定範囲を示します。
専用ベースが本体より大きい場合や、施工に必要な余裕が指定されている場合は、その寸法も含めて確認してください。
床にテープを貼れない場合は、紙やメジャーで位置を示す方法でも構いません。
③ 玄関ドアと宅配ボックスの扉を確認する
玄関ドアを実際に開け、宅配ボックスの予定位置に干渉しないか確認します。
次に、メーカーの寸法図を見て、宅配ボックスの投函扉や取り出し扉の開閉に必要な空間を確かめます。
床に四角を示すだけでは、扉がぶつかるかどうかは分かりません。必要なら段ボールを使い、実際の高さや開閉範囲もイメージしましょう。
④ 配達員になったつもりで歩く
道路側やインターホンの位置から宅配ボックスの候補場所へ歩きます。
- 宅配ボックスが自然に目に入るか
- 荷物を持って無理なく近づけるか
- 投函時に門扉や植栽が邪魔にならないか
- 必要以上に敷地の奥へ入らずに済むか
配達員が必ず使用できることを保証するものではありませんが、見つけやすさや動線を確認することはできます。
⑤ 家族として荷物を回収する
候補場所から玄関ドアまで歩き、荷物を室内へ運ぶ動きを想像します。
軽い空き箱を使って確認するのもよいでしょう。重い荷物を無理に持って試す必要はありません。
毎日の荷物の取り出しが負担にならないか、段差や狭い通路がないかも確認します。
⑥ 雨風・水はけ・設置面を確認する
- 雨だれが落ちる場所ではないか
- 雨水がたまる場所ではないか
- 強風の影響が大きすぎないか
- 床が水平で安定しているか
- 指定された固定施工ができる場所か
屋外に置ける製品でも、設置場所の条件はメーカーごとに異なります。施工面や下地が分からない場合は、無理に購入を決めずメーカーや専門業者に確認しましょう。
奉行の裁定|3つの住宅モデルで判断してみる
ここまでの考え方を、3つの住宅に当てはめてみましょう。
※以下は説明のための架空のモデルケースです。実際の住宅の採寸・施工記録ではありません。
ケースA|玄関横に置くとドアがぶつかる
条件:玄関ポーチは狭く、宅配ボックス本体は壁際に収まるものの、玄関ドアを開くとぶつかる。門柱横には別の候補スペースがある。
奉行の裁定:玄関横は不採用。門柱横を優先して検証。
理由:玄関横はドアの開閉を妨げるからです。門柱横も、設置面・敷地境界・扉の開閉を確認してから最終判断します。
ケースB|門柱から玄関まで距離がある
条件:玄関横と門柱横の両方に設置スペースがある。門柱から玄関まで長いアプローチがあり、飲料水など重い荷物の受け取りが多い。
奉行の裁定:玄関横を第一候補。
理由:重い荷物を室内へ運ぶ距離を短くできるからです。ただし、配達員からの見つけやすさと施工条件を満たすことが前提です。
ケースC|玄関横も門柱横も問題がある
条件:玄関横は通路をふさぐ。門柱横は地面の状態が悪く、メーカー指定の固定ができるか分からない。
奉行の裁定:購入保留。
理由:現状ではどちらも設置場所として確定できないからです。違うサイズ・開閉方式の商品を検討するか、専門業者へ設置面を確認します。
共通するのは、商品の置き場所を無理に作るのではなく、安全に設置できる場所と製品の組み合わせを探すという考え方です。
最終判定シート|玄関横A・門柱横Bを比較する
最後に、自宅の玄関で候補A・Bを確認しましょう。
各項目を「○」「×」「要確認」の3つで判定します。
| 確認項目 | 玄関横A | 門柱横B |
|---|---|---|
| ① ドア・通路を妨げない【必須】 | ○/×/要確認 | ○/×/要確認 |
| ② メーカーの設置・固定条件を満たす【必須】 | ○/×/要確認 | ○/×/要確認 |
| ③ 敷地境界や設置面に問題がない【必須】 | ○/×/要確認 | ○/×/要確認 |
| ④ 雨風・水はけへの対応が可能【必須】 | ○/×/要確認 | ○/×/要確認 |
| ⑤ 配達員が見つけやすい | ○/×/要確認 | ○/×/要確認 |
| ⑥ 家族が荷物を取り出しやすい | ○/×/要確認 | ○/×/要確認 |
| ⑦ 玄関の見た目・暮らし方に合う | ○/×/要確認 | ○/×/要確認 |
奉行の最終裁定ルール
必須条件に「×」:その配置は不採用。商品や場所を変更する。
必須条件に「要確認」:購入を確定せず、公式資料や専門業者で確認する。
必須条件がすべて「○」:配達員と家族の使いやすさで比較し、設置場所を決める。
どちらも適合しない:購入を保留し、別の場所・製品・施工方式を検討する。
便利だから多少危なくてもいい、という判断はしないこと。安全性と施工条件を先に確認したうえで使いやすさを比べます。
よくある質問
Q. 玄関横と門柱横、結局どちらがおすすめですか?
どちらも安全に設置できるなら、重い荷物の回収負担を減らしたい場合は玄関横、配達員を玄関前まで入れずに受け取りたい場合は門柱横が有力です。自宅の通路・距離・段差・施工条件によって判断してください。
Q. 玄関が狭い場合、幅の小さい宅配ボックスなら置けますか?
候補にはなりますが、本体幅だけでは判断できません。奥行き、扉の開閉方向、専用ベース、固定方法、荷物の受取サイズも確認してください。
Q. 門柱に直接取り付けてもいいですか?
既存門柱の構造・強度と、製品が認める施工方式によります。門柱横への独立設置と、既存門柱への直接固定は別の施工です。説明書で認められていない取り付けを自己判断で行わないようにしましょう。
Q. 屋根がない場所でも設置できますか?
製品ごとに屋外設置の条件が異なります。屋外対応の商品でも、雨水がたまる場所やメーカーの使用条件に合わない場所は避けてください。
Q. 玄関横と門柱横の候補を決めたら、すぐ購入していいですか?
まだ最終確認が必要です。購入予定の型番の寸法図・扉の開閉方向・施工説明書を確認し、自宅の条件に合っていることを確かめてください。
まとめ|置き場所を決めてから宅配ボックスを買おう
宅配ボックスの設置場所は、玄関横が常に正解でも、門柱横が常に正解でもありません。
後悔を減らすには、次の順番で考えることが大切です。
- 除外:ドア・通路・施工条件に問題がある場所を外す。
- 比較:玄関横と門柱横を、配達員と家族の使いやすさで比べる。
- 仮置き:候補商品の本体寸法と扉の動きを、自宅の玄関で確認する。
- 裁定:安全に設置できる候補から選び、条件が合わなければ購入を保留する。
まずは、玄関横と門柱横を実際に見てください。そして候補商品の公式寸法図を開き、本体の大きさを床に再現してみましょう。
そうすれば、商品選びも「なんとなく」ではなく、自宅の条件に合わせて進められます。

なるほど! 玄関で箱の大きさを再現して、出入りや荷物の運びやすさまで確かめればいいんだな。

そのとおり。置けるかだけでなく、毎日使いやすいかまで見極める。それが後付け成功への道じゃ。
その玄関、拙者が見極める。
参考にした公式情報
※製品仕様の確認時点:2026年10月。設置可否、扉の開閉や固定方法は、型番・取付部材・施工方式によって異なります。購入・施工前に最新のメーカー資料を確認してください。図A・図Bおよび製品の外観イメージはAI生成画像であり、実際の施工写真・実製品の撮影写真ではありません。


